犬が食べたものを吐き戻してしまうと、「すぐにご飯をあげても大丈夫?」「絶食させたほうがいい?」と不安になる飼い主は多いでしょう。
吐き戻しの直後は胃や食道が刺激を受けているため、慌てて食事を与えるとかえって症状が続くことがあります。一方で、子犬やシニア犬では長時間の絶食が負担になるケースもあるため、年齢や体調に合わせた対応が大切です。
この記事では、吐き戻し後に食事を再開するタイミングや消化に配慮した食事の選び方、自宅で様子を見てよいケースと動物病院を受診すべき症状について解説します。
なお、何度も吐き戻す、ぐったりしている、血が混じるなどの症状がある場合は、自宅で様子を見続けず、早めに動物病院を受診してください。
犬が吐き戻しをした直後に食事を与えてはいけない理由
吐き戻しをした直後は、すぐに食事を与えず、まずは愛犬の様子を落ち着いて観察することが大切です。
食べ物を続けて与えると、胃や食道に負担がかかり、再び吐き戻してしまうことがあります。まずは消化器を休ませ、水分補給や食事の再開は体調を確認しながら進めましょう。
吐き戻しの後は胃腸を休ませることが大切
吐き戻しをした後は、胃腸を休ませる時間を設けることが重要です。
吐き戻し直後は消化器が刺激を受けているため、すぐに食事を与えると胃に負担がかかり、再び吐き戻すことがあります。
健康な成犬であれば、数時間から半日程度を目安に様子を見て、吐き戻しが治まり元気があることを確認してから食事を再開するとよいでしょう。
ただし、子犬やシニア犬、持病のある犬は長時間の絶食が負担になる場合があります。不安がある場合は自己判断せず、動物病院へ相談してください。
吐き戻しと嘔吐の違いを知っておこう
吐き戻しと嘔吐は似ていますが、原因や症状には違いがあります。
吐き戻しは、食べたものが十分に消化される前に食道から戻ってくる状態で、未消化のフードがそのまま出てくることが多く、前触れがほとんどありません。
一方、嘔吐は胃や腸の内容物を吐き出す症状です。吐く前によだれが増えたり、お腹に力を入れたりする様子が見られ、消化された食べ物や胃液、胆汁などを吐くことがあります。
早食いによる吐き戻しであれば一時的なケースもありますが、何度も繰り返す場合や元気・食欲の低下を伴う場合は病気が隠れている可能性もあるため、早めに獣医師へ相談しましょう。
吐き戻しを繰り返す場合は食事を控えて様子を確認する
一度だけの吐き戻しで、その後も元気に過ごしている場合は、自宅で様子を見られるケースもあります。
しかし、食事や水を飲むたびに吐き戻す、短時間で何度も繰り返す、ぐったりしているなどの症状がある場合は注意が必要です。
無理に食事を与え続けると症状が悪化することもあるため、まずは食事を控え、できるだけ早く動物病院を受診してください。
犬が吐き戻しをした後の食事はいつから再開すべき?
吐き戻し後の食事は、愛犬の様子を確認しながら少しずつ再開することが大切です。
焦って通常量を与えるのではなく、水分補給から始め、問題がなければ消化しやすい食事を少量ずつ与えましょう。
成犬は数時間から半日を目安に食事を再開する
健康な成犬であれば、吐き戻し後は数時間から半日程度様子を見て、症状が落ち着いてから食事を再開するのが一般的です。
その間は静かに過ごせる環境を整え、再び吐き戻さないか、元気や食欲があるかを確認します。
食事を再開するときは、一度に通常量を与えず、少量から始めて様子を見ながら徐々に増やしましょう。
子犬やシニア犬は絶食時間に注意する
子犬やシニア犬は体力や血糖値の変化を受けやすいため、長時間の絶食は適さない場合があります。
一般的には短時間の様子見で食事を再開することが多いものの、年齢や体調によって適切な対応は異なります。
元気がない、何度も吐く、水分も取れないなどの症状がある場合は、自宅で判断せず動物病院へ相談してください。
水は少量ずつ与える
吐き戻し直後は大量の水を一度に飲ませないようにしましょう。
まずは吐き戻しが落ち着いてから少量の常温の水を与え、しばらく様子を見ます。
問題なく飲めるようであれば、少しずつ量を増やしていきます。水を飲んでも吐いてしまう場合は脱水のリスクもあるため、早めの受診が必要です。
食事は少量からゆっくり戻す
食事を再開するときは、普段の3分の1~4分の1程度を目安に少量ずつ与えます。
食後も吐き戻しがなく元気に過ごせていれば、数回に分けて徐々に量を増やし、2~3日ほどかけて通常の食事へ戻すと安心です。
急に普段どおりの量へ戻すと胃腸に負担がかかることがあるため、焦らず段階的に進めましょう。
犬の吐き戻し後に適した消化に良い食事の選び方
吐き戻し後の食事は、胃腸への負担が少なく消化しやすいものを選ぶことが大切です。
一度にたくさん与えるのではなく、少量から始めて愛犬の様子を確認しながら通常の食事へ戻していきましょう。
ぬるま湯でふやかしたドッグフード
吐き戻し後の最初の食事には、ぬるま湯でふやかしたドライフードがおすすめです。
フードが柔らかくなることで消化しやすくなり、水分も一緒に補給できます。
38~40℃程度のぬるま湯を加え、10~15分ほど置いて芯まで柔らかくしてから与えましょう。熱湯は栄養素が損なわれる可能性があるため避けてください。
茹でた鶏ささみやおかゆを取り入れる
食欲が戻ってきたら、茹でた鶏ささみや柔らかく炊いたおかゆなど、消化しやすい食材を少量与える方法もあります。
鶏ささみは皮や脂を取り除き、細かくほぐして与えると食べやすくなります。おかゆは水分を多めにして柔らかく炊き、常温程度まで冷ましてから与えましょう。
なお、手作り食を与える場合は塩や調味料は加えず、食べ慣れていない食材は避けることが大切です。
獣医師の指示がある場合は療法食を活用する
吐き戻しを繰り返す場合や消化器疾患の治療中は、獣医師から療法食を勧められることがあります。
消化器サポート用の療法食は消化しやすい原材料を使用し、胃腸への負担に配慮して作られています。
自己判断で療法食へ切り替えるのではなく、愛犬の症状や体調に合わせて獣医師と相談しながら選びましょう。
犬の吐き戻し後の食事について避けたい行動
吐き戻し後の対応によっては、症状が長引いたり再び吐いてしまったりすることがあります。
愛犬の回復を妨げないためにも、避けたい行動を確認しておきましょう。
吐き戻し直後に通常どおりの食事を与える
吐き戻した直後に、いつもと同じ量や固さのフードを与えることは避けましょう。
胃腸が落ち着いていない状態で食事をすると、再び吐き戻す原因になることがあります。
食事を再開する際は少量から始め、ふやかしたフードなど消化しやすいものを選ぶと安心です。
脂肪分の多い食べ物やおやつを与える
高脂肪のおやつや脂身の多い肉類は消化に時間がかかるため、吐き戻し後は控えましょう。
食欲がないからと好物ばかり与えると、胃腸への負担が大きくなり、症状が続くこともあります。
体調が安定するまでは、普段のおやつも一旦控えることをおすすめします。
冷たい水や冷えたフードを与える
冷蔵庫から出したばかりの水やウェットフードは、胃腸を刺激することがあります。
水は常温、食事も人肌程度の温度にしてから与えると食べやすくなります。
電子レンジで温める場合は熱くなりすぎないよう注意し、全体の温度を確認してから与えてください。
犬の吐き戻しを予防するための食事管理
日頃の食事方法を見直すことで、吐き戻しを予防できる場合があります。
特に早食いや食後の過ごし方は、吐き戻しに大きく影響するため意識してみましょう。
早食いを防ぐ工夫をする
早食いは吐き戻しの原因の一つです。
一気に食べることで空気も一緒に飲み込み、食後すぐにフードを吐き戻すことがあります。
早食い防止用の食器を使ったり、フードを数回に分けて与えたりすると、食べるスピードをゆるやかにできます。
食事回数を増やして一度に食べる量を減らす
一度にたくさん食べると胃に負担がかかることがあります。
必要に応じて1日の食事量は変えずに回数を増やし、1回あたりの量を減らす方法も有効です。
食事回数を変更する際は、愛犬の年齢や生活リズムに合わせて調整しましょう。
食後は安静に過ごす
食後すぐに走り回ったり激しく遊んだりすると、吐き戻しにつながることがあります。
食後30分~1時間程度は落ち着いて過ごせるようにし、散歩や運動は時間を空けてから行いましょう。
多頭飼いの場合は、食後に興奮して遊ばないよう、それぞれがゆっくり休める環境を整えることも大切です。
犬が吐き戻したときに動物病院を受診すべき症状
一度だけの吐き戻しで、その後も元気や食欲がある場合は様子を見られることもあります。
ただし、次のような症状がある場合は病気が原因の可能性もあるため、できるだけ早く動物病院を受診してください。
短時間に何度も吐き戻す・嘔吐を繰り返す
何度も吐き戻したり、水を飲んでも吐いてしまったりする場合は注意が必要です。
脱水が進む恐れもあるため、自宅で様子を見続けるのではなく、早めに診察を受けましょう。
元気がない・血が混じる・下痢を伴う
ぐったりしている、食欲がない、血便や血の混じった吐しゃ物が見られる場合は、早急な受診が必要です。
発熱や震え、腹痛が疑われる様子がある場合も、自己判断せず獣医師の診察を受けましょう。
誤飲・誤食の可能性がある
おもちゃや布、竹串などの異物や、チョコレート・玉ねぎなど犬が食べてはいけないものを口にした可能性がある場合は、すぐに動物病院へ連絡してください。
無理に吐かせようとすると危険な場合もあるため、自宅で処置を行わず、誤飲したものや時間が分かれば獣医師へ伝えましょう。
まとめ

犬が吐き戻しをした後は、慌てて食事を与えず、まずは愛犬の様子を観察することが大切です。
食事を再開する際は、水分補給から始め、ふやかしたドッグフードや茹でた鶏ささみなど消化しやすい食事を少量ずつ与えましょう。2~3日ほどかけて徐々に通常の食事へ戻すことで、胃腸への負担を抑えられます。
また、早食いを防ぐ工夫や食後の安静を心がけることで、吐き戻しの予防にもつながります。
一方で、何度も吐き戻す、ぐったりしている、血が混じる、誤飲・誤食の可能性があるといった場合は、重大な病気が隠れていることもあります。自宅で様子を見続けず、できるだけ早く動物病院を受診してください。

